犬のサマーカットはよくない?【メリットやデメリットを解説します】

神奈川県藤沢市宮前にあるトリミングサロン『ドッグノーティカ』

オーナートリマーのはせです。

この時期になると、お客様からもご要望の増えてくる

サマーカット!!

我々トリマーが言うサマーカットとは1~3mmのバリカンを使い、体の毛も足の毛も短くスッキリカットすることです。

見た目もスッキリして、涼しそう!と考える飼い主様も少なくないと思いますが

結論をいうと実はデメリットの方が多いのです。

 

今回はそんなサマーカットのメリット、デメリットについて解説します。

サマーカットのメリット

1.お手入れが楽

毛が短くなるので、ブラッシングやシャンプー・ドライヤーの時間が短くなります。

トリミングが苦手なコや

高齢でトリミングの時間を短縮したいコの

負担を減らすことができます。

 

2.涼しそう

スッキリカットされた姿は

もじゃもじゃに伸びた時と比べれば

一目瞭然涼しそうですよね!

しかしこれは見た目だけかもしれません…

実は涼しくないのです。

デメリット編に続きを書きます

サマーカットのデメリット

1.毛質が変わる・伸びてこなくなる時がある

詳しい原因はわかっていませんが、極端に短くカットをした後

毛質が変わったり(サラサラヘアーがゴワゴワくるくるになった!とか)

毛の色が薄くなったり

最悪の場合は毛が伸びてこなくなります。

毛刈り後脱毛症という病名もあったりします。

あとはアロペシアX(エックス)、ポメハゲと呼ばれるものもあります。

当店にこのような症状のあるワンコのご利用はありませんが

悩まれている飼主様も多いですね。調べるとたくさん出てきます。

これといった治療法はまだ見つかっていないようです。

 

2.怪我のリスク

ここでいう怪我は2パターンあります。

一つめは、トリミング中の怪我

トリミング中の怪我というのはあってはならないことですが

我々トリマーはいつどんな動きをするかわからない生き物を相手に

刃物を使ってカットをしていかなければならず

常に怪我をさせてしまうかもしれないリスクを負いながら

施術をしています。

サマーカットのときは主に1~3mmのバリカンを使うことが多く

ミリ数が小さくなればなるほどバリカンの刃が薄くなり

皮膚にその刃が当たってしまうリスクが上がります。

予期せぬ動きをした時に刃が当たってしまい

怪我をさせてしまった…なんて話はよく耳にします。

私も過去に怪我をさせてしまったことがあります。

 

二つめは、短くカットしたことにより身を守るものがなくなってしまったことによる怪我

お散歩の時、ワンコたちは道路の端をあるくことが多いですよね。

その時に街路樹の枝や葉っぱなどが皮膚に擦れたりして赤くなってしますことがあります。

他の犬に襲われた時に、慌てて自分の犬の抱き上げたら

噛み付いてきた犬が毛にぶら下がっていて

奇跡的に無傷だったという話も聞いたことがあります。

 

また、怪我とは少し異なりますが、皮膚が露出してしまう分

虫刺されのリスクも無視できません。

特に蚊に刺されることによるフィラリア症の危険性については

ここで書くまでもありませんよね。

 

3.紫外線(日光)を直に浴びてしまう

皆様は日差しがガンガン照りつける中

裸で散歩には行かないですよね?

帽子をかぶり、服をまとい、日傘をさして

万全の対策をして外に出るはずです。

なのに人間より皮膚が薄い(約1/3)とされるワンコはどうでしょうか?

ツルツルにカットされて裸に近い状態で外に出たら…

日焼けしてしまいますよね。

ワンコの毛は自身の体を守るために必要なものなのです。

断熱材の役割もあるとされていて

実は適度(概ね1cm前後)に毛を残してあげた方が涼しいとされているのです!

長すぎるのはダメ!毛玉もダメ!熱がこもります。

きちんとお手入れされた状態であることが前提です。

サマーカットが必要な時とは…

デメリット編はかなり熱く書いてしまったような感じがしますが

それでも短くカットしなければならない時もあります。

1.高齢のため、シャンプーやドライヤー、トリミングの時間を短縮

高齢のワンコはとにかく時間との戦い!

手早く、スムーズに、トリミングの負担を減らしてあげたいので短くカットしてあげた方が良い時もあります。

実家で飼っていたミニチュアダックスのレイは

彼が18歳の時に亡くなりましたが

晩年はオムツをつけたりで汚れてしまうことも多かったので

下半身は2mmでスッキリとカットして

ライオンカットのようなスタイルで過ごしました。

この写真はちょっと伸びちゃってますが…

2.とにかく毛玉だらけで通常のグルーミングが困難

定期的にトリミングに出してもらえれば防げますが

何かしらの事情でトリミングに出せなかったりして

全身毛玉で覆われてしまった際はツルツルに根元から

カットしてしまいます。

一度できてしまった毛玉は切ってしまう以外に処置の方法がありません。

毛玉を解く行為は虐待に近い行為だと思っていますので

根元から切ってしまうことで

ワンコの負担を大幅に減らすことができます。

ただし、こちらもやはり怪我をさせてしまうリスクが高かったり

毛玉が解け、その周辺の皮膚の血流が急激によくなることで

内出血のようなものができる恐れがあるので

獣医師監修のもと処置をしてもらうことをおすすめします。

まとめ

ほとんどがデメリットの話になってしまいましたがいかがでしたでしょうか?

常識というのは日々変わり、私がトリマーになりたての10数年前は

このようなことはほとんど言われていなかったです。

サマーカットがダメだからといって

ただ長く伸ばしていれば良いという訳ではありません。

定期的(少なくとも1ヶ月に一回)は信頼できるトリマーさんのところで

お手入れをしてもらい、適度の長さにカットしてあげることが大切です。

当店では、しっかりカウンセリングをし

体質やライフスタイルなどを考慮しながら

話し合いをさせていただきます。

 

このブログが皆様のお役に立てれば幸いです。

 

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